チョガマダン 초가마당 식당

チョガマダン 군산 맛집 초가마당 식당

チョガマダン

 

 アパートのお向かいに大きな空地があったのだが、ある日その向こう側に一軒だけぽつんと古民家風の建物ができた。そこそこ大きくて、古民家風でありながらもモダンなその建物は、チョガマダンという名のお昼間はカフェ、夜はお酒が飲める食堂としてオープンした。

 今のように何でも調べれば情報が出てくる時代ではなかったこともあり、初めて入るお店というのは、雰囲気もメニューも価格帯もまったくわからない。私は住んでいた部屋の南向きの大きな窓から、チョガマダン全体がよく見えたから、たびたびベランダに出て、何かしら情報が得られないかと観察を試みてみたりもしたのだが、お客さんが入っている風でもない。行ってみたい、でも、場違いやったらどうしよう、とか、めちゃくちゃ高かったらどうしよう、とか思ってしまって、なかなか行動できずにいたのだけれど、若いって素晴らしい!怖いもの知らずだし、何だかんだで好奇心が勝ってしまう! 

 

意を決して、木製の大きな重たいドアを押したら、そこには思っていた以上のパラダイスが広がっていた。広々とした店内は、天然木を使ったテーブルやいす、センスの良いインテリア、むき出しの高い天井の大きな梁、明るくて暖かく落ち着く空間そのものだった。初めて来たのに、居心地が良い、そんなお店だった。お昼は、自家製の伝統茶が楽しめるカフェだったが、私は主に夕ご飯を楽しんだ。

 

 オーナーさんの感じも良くて、建物のすぐ横の畑でとれた新鮮で無農薬の野菜を使ったお料理はどれもこれも美味しかった。中でもわたしが特にお気に入りだったのは、ユッケジャン。ここのユッケジャン以上に美味しいユッケジャンにまだ出会ったことはないし、生涯出会うことはないと思う。それくらい美味しいユッケジャンを出してくれるお店だった。材料など何かが特に違うわけではないと思うけれど、とても深く優しい味で、体にいいものを食べている気がした。あれほど行くまで躊躇していたことが嘘のように、わたしはすぐにチョガマダンの虜になり、一日おきに通ってしまうことになる。

 ほかにも、トガニタンは、まったく辛くない味なのにも関わらず食べ始めた途端体中から汗が出てきて、びっくりした。体中がデトックスされているのがよくわかった。아~시원해~と無意識につぶやいたほどだ。これほど、시원하다という言葉がぴったりなシチュエーションはないと思う。ここのごはんを食べると、元気になる気がした。

 

いつも決まって、ごはんの後はトンドンジュとアルタンを楽しんだ。甕に入ったトンドンジュは、甘くてさっぱりしていて飲みやすくてついつい飲みすぎてしまう。いつもきっちり2甕美味しくいただいた。でも、平気。そう、若いって素晴らしい!当時、二日酔いなんて言葉、わたしの辞書にはなかった!

 アルタンは、たらこや白子?など魚卵を辛いスープで煮込んだものなのだが、これがまたトンドンジュによく合った。今も韓国に行くと、必ずアルタンを探して歩くのだが、たぶん日本では食べられないお料理だと思う。韓国に行ったら、夜のお楽しみにアルタンとトンドンジュもしくはマッコルリをおススメします。

 

 約10年前、旅行で群山に行ったのだが、チョガマダンは健在だった。建物も、内装もそのままだった。でも、わたしの好きだったユッケジャンやアルタンはもうメニューにはなかった。キムチの古漬けをお鍋にしたキムチチム専門店になっていた。今や幻の味になっちゃったなぁ。

 だけど、次回韓国に行くときは、もう一度チョガマダンに行きたいとは思っている。

 

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